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前回、前々回に続き、書架の地震対策をテーマに、
人の命と図書資料を守るためのノウハウを全3回のシリーズでお届けしています。
シリーズ最後の今回は「– 対策.03 – 免震書架で揺れを吸収し、被害を最小限にとどめる」です。
40年以上地震研究に取り組んできた、金剛の代名詞でもある「免震」で大規模地震に備えませんか?
想定される地震被害
大規模な地震が発生した場合、
書架の転倒や図書の落下による人的被害、大切な資料の破損、
そして散乱した図書の復旧作業など、多岐にわたる被害が想定されます。
被害を最小限に抑えるためには、以下のステップを見据えた対策が不可欠です。

第1弾の記事では、書架の「転倒対策」として壁・床・書架同士の固定について。
続く第2弾では、図書資料の「落下対策」として「傾斜スライド棚」についてご紹介しました。
今回は、地震被害を最小限に抑えるための「免震書架」についてご紹介します。
免震書架とは?
免震書架とは、免震ユニットを書架構造に取り付けることにより、地震の揺れを吸収し、
書架本体に地震の揺れを伝えにくくすることで図書の落下を軽減する地震対策用の書架です。
金剛は、1993年に「免震移動棚」を発売して以来、免震製品の開発に力を注いできました。
利用者の皆様が行き交う「開架コーナー」向けに開発されたのが、この免震書架です。

開架書架の地震対策には、揺れに耐える「耐震」と、揺れを低減する「免震」という2つの考え方があります。
免震書架は下記の図の通り、
書架の転倒や図書の落下に影響する奥行き方向(前後)は「免震」で揺れを逃がし、
構造的に強い連方向(横並びの方向)は「耐震」で支える構造になっています。

免震書架の具体的な構造は、下の画像のようになっています。
「揺れに耐える頑丈さ(耐震)」と「揺れを伝えにくくする機能(免震)」。
この2つの相乗効果により、震度6程度までは、書架の転倒や図書の落下被害を最小限に抑えることができます。

免震書架の効果
下の画像と動画は、免震書架と耐震のみの書架の比較実験の様子です。
兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)クラスの揺れに対し、免震書架は振動を約7分の1にまで低減しました。
地震の揺れを吸収して書架自体の揺れを抑えることで、図書資料の落下を防ぎ、人の安全が確保されている様子が分かります。

▼免震書架加振実験動画(YouTube)
この性能は、実験等のデータ上だけのものではありません。
実際に、2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震ではその効果を発揮し、
納入先のお客様より感謝のお言葉も頂戴しました。

納入事例
多くの図書館様にご採用いただいていますので、その一部をご紹介いたします。
▼日本大学 三軒茶屋キャンパス さま
▼なかまちテラス 小平市立仲町公民館・仲町図書館 さま
詳しい寸法設定や仕様等の情報は、金剛カタログvol.11_P082 や、製品ページをご覧ください。
これまで全3回にわたり、書架の地震対策についてご紹介してまいりました。
<3つの地震対策まとめ>
対策.01 書架の転倒を防止する(固定)
対策.02 傾斜スライド棚で図書資料の落下を軽減する
対策.03 免震書架で揺れを吸収し、被害を最小限にとどめる
書架の転倒や図書の落下は、時に人の命をも奪いかねない重大なリスクです。
まずは「人の安全」を確保し、そして図書資料の破損や復旧作業の負担を軽減できるように、
あらかじめ備えておくことが重要です。
書架の地震対策に関するお問い合わせやご相談は、下記お問い合わせフォームよりお気軽にお寄せください。







