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日本は世界有数の地震大国です。
私たちは日々の小さな揺れだけでなく、時に甚大な被害をもたらす大地震のリスクとも常に隣り合わせにあります。
こうした地震で懸念されるのが、美術館やギャラリーなどで展示されている絵画作品の落下・衝突による破損です。
特に一般的なワイヤー吊りで展示された作品は、地震の横揺れによって振り子のように大きく振られ、壁や他の作品と衝突する危険があります。
さらに、万が一作品が落下した場合、近くにいる鑑賞者に危険が及ぶ可能性も否定できません。
大切な作品を、そして鑑賞者の安全を、地震から守るために。
今一度、展示の地震対策を見直してみませんか?
目次
ストッパー付きの展示用フックを使用する
展示用フックはU字型のタイプが一般的ですが、中には上部にストッパーが付いた地震対策用のフックもあります。
ストッパーが付いていることにより、作品の脱落を防止できます。
ストッパー付きフック①「アートフック」
ステンレスのピンまたはスリムビスを用いて壁面に取り付け、額につけられた紐や金具を引っ掛けて使用します。

ストッパー付きフック②「MOフック」
ニューヨーク近代美術館の依頼でデザイン・制作されたスマートな形状のフックで、よりすっきりとした展示が可能となりました。

補助金具を取り付ける
すでにストッパーがないタイプのフックを使用している場合は、専用のストッパーを後付けすることで脱落を防止することができます。
ワイヤー吊りで展示した作品は、吊り下げた作品と壁面を固定する補助金具を取り付けることで壁や作品同士、人への衝突への対策が可能です。
補助金具①「AS耐震金具」
額等を吊下げて展示する際に、AS耐震金具を額縁の下部に取り付けピンで壁面に固定することで、
壁と作品、或いは作品同士の衝突を防ぎます。

補助金具②「 額倒れ止めクリップ」
ワイヤセットで吊られた額の前倒れを防止するクリップですが、
ワイヤーと壁面へ固定して額の揺れ防止としても使用できます。
ワイヤーをクリップで挟んで、額の裏側、或いは壁側へ固定します。

補助金具③「ファームフックストッパー」
フックの先端に取り付けて、脱落を防止します。ネジ止めのため、盗難防止にもなります。

※タキヤ(株)のファームフック「NT-FHO 100 / 70 / 55」シリーズに対応したストッパーです。(全3サイズ)
※「NT-FHO 120-20 / 120-30」シリーズ対応のストッパーもございます。
補助金具を追加する、フックを対策品に交換する。
今ある展示にほんの少し手を加えるだけで、地震による作品の落下リスクを大きく減らすことができます。
かけがえのない作品を未来へ繋ぐ、その確実な一歩として。
ぜひ、展示環境の安全性を見直してみてはいかがでしょうか。
