矢印アイコン

PAGE TOP

  • その他

マイクロコンピュータ利用の一考察

金剛電子研究所

注意発行当時の記述について

本記事は、金剛株式会社が1987年11月25日に発行した機関誌「PASSION Vol.3」の内容を、当時の記録として公開するものです。

記事内の情報は発行当時のものであり、現在の状況とは異なる場合があります。また、当時の社会情勢や倫理観を反映した表現が含まれている可能性があり、現代の基準に照らし合わせると一部不適切と感じられる箇所もあるかもしれませんが、資料的価値を考慮し、原文のまま掲載しています。また、掲載されている商品やサービスは、既に販売・提供を終了している場合があります。


※ 本記事は、著作権法上の引用の範囲内で掲載しています。当時の記録として、皆様に楽しんでいただけましたら幸いです。

はじめに

 マイクロコンピュータ(以下、マイコンと称す)が世に迎えられて以来、マイコンの普及には目を見張らせるものがあります。
 近年、炊飯器・洗濯機等の家電製品、当社工場の各制御回路・製品の中にもマイコン技術が導入され、安全性・高性能化・小型化の向上に役立っていることは周知の事実ですが、このマイコンがどのようなメカニズムで成り立っているのか、ということになると、評判の割にはまだまだこの中味について知る人は少ないようです。

 今回は、特にマイコンの概要、開発方法、応用例を取り上げて執筆しました。
 このマイコンの動作は、CPUがまず動作手順の示してあるROMのプログラムメモリをアドレスパス(データ転送先指定用ライン)により指定し、そこから1個のデータをデータバス(データ転送用ライン)により、CPUへと取り込みます。このデータを解決し、それに基づいてこのデータ をデータパスによりI/Oへと送り出したり(出力)、I/Oを通じて外部からのデータを取り込んだり(入力)、演算を施したりします。作業が終了すると、再びCPUはROMのプログラムメモリをアドレスバスにより指定し、そこから1個のデータをCPUへと取り込み、これを規則正しく実行するものです。

1.マイコンの概要

 マイコンとはその名の通り、小規模なコンピュ ータの意味です。規模が小さいだけでコンピュー タに必要な装置を備えているのがマイコンです。

 マイコンは目的に応じてプログラム(機械に解読できる言語)することができ、いろいろな制御に対応することが可能です。

 マイコンはCPU、メモリ、I/Oなどで構成されています。CPU とはプログラムの指示に従ってシステム動作のコントロールを行う部分で、演算部・レジスタ部・ 制御部からなっています。メモリにはROM、RAMの2通りがあり、ROMは電源を切った場合でもメモリの内容が記憶されており、システムをコントロールする為のプログラムを入れておきます。 RAMは電源が切れると内容が消えてしまうことから、システムのデータ又は変数の一時記憶場所として使用します。I/Oは外部とのデータの交換を行う部分です。

マイクロコンピュータの構成
CPU:central processing unit(中央処理装置)
ROM:read only memory(読み出し専⽤記憶装置)
RAM:random access memory(等速呼出し記憶装置)
I/O:input/output(⼊出⼒装置)

2.システム開発

 マイコンを使ったシステムを開発するには、ROMにプログラムを書き込んだり、データを記憶したり、入出力装置を接続して物理的に動作させなければまったく意味がありません。

 マイコンシステムの設計は下記の手順で行っていきます。  

①仕様の打合せ:
 ユーザーの要求を理解する必要があります。  

②機能設計:
 ユーザーの要求を機能別に分解し、ソフトウェア(プログラム)で処理をするか、ハードウェア(電子回路)で処理をするのかを決定する重要な段階です。

③ソフトウェアの設計:
 計算、設定条件等のプログラムを行います。  

④ハードウェアの設計:
 電子回路、入出力装置等の設計を行います。  

⑤デバック(調整):
 マイコンにプログラムを入れ、ハードと回路的に結合させ、システム的にうまく動作するか調整します。

 以上のような手順をおって、マイコンシステムは完成します。

 当社では、5年前より有しているインテル社製MDS、ソフィア社製IN Ⅲという開発装置2セットを使用して開発を行っています。開発可能な CPUとして、16ビット系の8086、8ビット系の8080、8085、Z80、8048等のCPUを使用しております。

3.当社マイコン応用製品

 工場FAコントロール製品の他に、夜間金庫レシーター、ICシステムコンポ、KONAC、光リモコン電動スライド鉄扉など多数開発していますが、今回は夜間金庫レシーターのマイコン使用例について簡単な内部構造を紹介します。夜間金庫レシーターは、内部にCPU8085を使用しており、夜間金庫にカバンが投入されるとセンサーが検知して、CPUに対してカバンが投入されたことを知らせます。CPUはプログラ ムに従い、時計用ICから年、月、日を読み出し、メモリーに記憶します。次に、前もって記憶されている銀行名、銀行コード、メッセージなどと共にCPUがメモリーからデータを読み出し、プリンターに出力して印字します。

 上記ではレシーターの基本機能の紹介を行いましたが、他にも停電時の処理機能、レシートテスト機能、時刻セット機能、屋外蛍光灯の点灯・消灯機能など、従来シーケンス回路(リレー回路、電子回路ハードのみ)だけでは困難な機能を、マイコンにより実現することができ、より小型化・ローコスト化が可能になりました。また機能変更の面でも、プログラムの変更により機器の機能を簡単に変更することができます。

おわりに

 現在、社会は高度情報化社会に移行しつつあり、この中でマイクロコンピュータは中心的存在として発展していくに違いありません。
 当社においても、お客様のニーズに対応する為マイクロコンピュータ応用システムの新製品を研究開発中です。

(1987年11月25日刊行(季刊))