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  • 技術ストーリー

KONGO免震システム 免震台・免震床構法の開発

金剛株式会社 免震プロジェクト

注意発行当時の記述について

本記事は、金剛株式会社が1997年12月22日に発行した機関誌「PASSION Vol.21」の内容を、当時の記録として公開するものです。

記事内の情報は発行当時のものであり、現在の状況とは異なる場合があります。また、当時の社会情勢や倫理観を反映した表現が含まれている可能性があり、現代の基準に照らし合わせると一部不適切と感じられる箇所もあるかもしれませんが、資料的価値を考慮し、原文のまま掲載しています。

掲載されている商品やサービスは、既に販売・提供を終了している場合があります。現行の製品については、改めて最新のカタログ等をご参照いただくか、弊社までお問い合わせください。


※ 本記事は、著作権法上の引用の範囲内で掲載しています。当時の記録として、皆様に楽しんでいただけましたら幸いです。

金剛株式会社 免震プロジェクト

1995年1月の阪神・淡路大震災以降、美術館、博物館等の文化財保護が関係者から強く求められているが、実はそれ以前に貴重な美術品等を地震から守るため某所へ納入し、あの阪神大震災の時、無事その役目を果たし、大変感謝されたという実績がある。このことは大きな自信となり、その後の開発に対し大いに拍車をかけたことは言うまでもない。今回は、今日まで各種実験等を含め開発を続けてきたこれらの免震システムについて紹介したい。  

2. 地震対策への取組み

地震対策に取り組んで20余年。
その成果は免震システムや免震移動棚Zに確実な実績と信頼の実を結んでいる。  

写真1:中型免震台
地震の揺れを低減し、貴重な彫刻や美術品等の倒壊を防ぐ
写真2:鹿島技研での実験風景
3軸6自由度の振動台で神戸海洋気象台観測波を再現(波形データにて確認)
写真3:鹿島技研での公開実験
免震台上に実際に展示物を載せて加振。阪神大震災の実大波を見事クリア―。

3. 免震台の代表機種

小型免震台 (展示ケース内用免震台)

展示ケース内に設置し、個々の展示物を地震から守るコンパクトな免震台。

小型免震台
写真4:小型免震台 国宝級の茶碗や壺を守る。

【主な仕様・特長】
・1品/1台 展示用特殊免震機構により、高さが45mmと低い
・展示物との違和感を無くすため、天板・化粧カバー(はかま)は表面クロス貼りが可能
・水平二次元免震機構にて三次元振動実験をクリアー
・積載荷重は10Kgタイプ、20Kgタイプの2種類有り・展示ケースとのクリアランスが200~250mm必要
・感震装置及び固定装置は不要

長尺免震台 (展示ケース内用免震台)

小型免震台を1ユニットとして長尺型へ接続、多種多様な展示を可能とした免震台。  

写真5:長尺免震台 様々な展示形態に適応。

【主な仕様・特長】
・多品/1台 展示用
・免震台の動きからヨーイング(回転)を除去する特殊構造
・免震台の動きを阻害しない独自の化粧パネルを採用
・展示品設置作業中は免震台を固定できる機構
・水平二次元免震機構にて三次元振動実験をクリアー
・展示ケースとのクリアランスが200~250mm必要
・感震装置及び固定装置は不要

中型免震台 (展示ケース積載用及び中量展示物用免震台)

展示ケース本体を積載し、展示ケース及び展示物を地震から守る免震台。

写真6:中型免震台
展示ケース本体を積載。違和感のない外観仕上げ。

【主な仕様・特長】
・既存の展示ケースをそのまま積載することが可能
・新設の展示ケースとセットで納入することが可能
・はかまは展示ケースと違和感のない、しかも独自の機構により仕上げることが可能
・水平二次元免震機構にて三次元振動実験をクリアー
・積載荷重は積載物の重量に合わせて製作が可能
・建築壁とのクリアランスが200~250mm必要
・必要に応じて感震装置及び固定装置が必要

4.免震床の代表機種

一方向免震床

免震移動棚Zと組み合わせることで二次元免震システムとなるもの。  

一方向免震床と免震移動棚Z
写真7:一方向免震床と免震移動棚Z

【主な仕様・特長】
・免震移動棚Zとの組み合わせにより安全で収容効率が高まる
・積載物の形状や荷重によって用途・使用状況に応じた製作が可能
・既設の建物において、そのスペースに合わせて自由に設置が可能
・建物床面の必要な所だけ免震性能を付加することができる
・必要に応じて感震装置及び固定装置が必要

二方向免震床

X方向、Y方向と2層式にすることで二次元免震システムとなるもの。  

写真8:二方向免震床

【主な仕様・特長】
・免震床上に家具やOA機器等が載せられ安全
・積載物の形状や荷重によって用途・使用状況に応じた製作が可能
・既設の建物において、そのスペースに合わせて自由に設置が可能
・建物床面の必要な所だけ免震性能を付加することができる
・必要に応じて感震装置及び固定装置が必要

この制度は、民間等の研究開発の促進及び建設事業への新技術導入活用のために、建設省が行政ニーズに基づいて決定した開発課題について、技術開発の目標レベルを広く提示し、民間が研究開発を実施、建設技術評価委員会において技術評価を行い、その結果を受けて建設大臣が評価を与え、結果を公表する制度である。今回、免震床構法の開発においては、大手ゼネコン30社と共に免震システムの技術が認められた。因みに家具及び物流システムメーカーでは当社だけであった。今後、この開発された技術は各分野の公共事業で積極的に活用されるということで、ガイドブックや詳しい小冊子等が各自治体等に発行される予定である。  

評価書

5. 実験内容と結果

振動実験で免震台は阪神大震災の実大波 (神戸海洋気象台観測波) を見事クリアー!
(エルセントロ、タフト地震における5階応答波においてもクリアーする)  

(1) 入力条件及び振動台性能

※神戸海洋気象台観測波による実験とは、加速度816gal、変位16cmを基本データとして316自由度にて同時加振を行ったもの。 鹿島技術研究所の振動台は国内でこの厳しい条件を再現可能な数少ない振動台である。
波形データ
波形データ ※南北方向のみ抜粋

(2) 入力波及び結果

入力波及び結果
※水平方向の応答加速度は、小型免震台では1/7~1/9、中型免震台では1/30~1/42まで低減され、積載物の転倒・ぐらつきもなく、充分な免震性能が確認された。 又、上下方向の揺れについては、被載物の転倒に大した影響がないことが実証された。

6. 最後に

以上に紹介した免震システムは、阪神大震災の実大波での振動実験の結果、見事に展示物の転倒を防ぎ、優れた免震性能を有していることが確認された。
今後も改善改良を重ね、更に発展性のある免震システムの開発に取り組む所存であるが、同時に大震災時にこの免震システムがより多くの人類の貴重な財産保護の一助となれば幸いである。

(1997年12月22日刊行)