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本記事は、金剛株式会社が2005年02月01日に発行した機関誌「PASSION Vol.29」の内容を、当時の記録として公開するものです。
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※ 本記事は、著作権法上の引用の範囲内で掲載しています。当時の記録として、皆様に楽しんでいただけましたら幸いです。

画期的な製品として生まれた移動棚もまた例外ではなかった。
幅広いユーザーのニーズに耳を傾け、スペースの有効利用、作業効率、低コストなど、さまざまな切り口で移動棚は進化をとげている。
電動、環境、そしてITへ。移動棚の進化は止まらない。
<IC・マイクロコンピュータ回路・液晶表示器・監視機能・自己診断機能・作動パターン変更機能>
指一本で動かす。キー操作で動かす。~電動棚E、電動棚ICシステムコンボ、リモコンEH
「移動棚Z」の発売から3年後、昭和52年に、移動棚の新たな流れが生まれた。「電動棚E」の開発・発売である。電動棚は、収納ニーズの増大に対応するために開発された。物品の重量がますます重たくなり、棚も8連、10連、12連と大型化してくると、手回しハンドルでは手に余るケースも出てきたためである。
そこで開発された電動棚は、棚自体に駆動装置を備え、押しボタンで操作を行うようにした。しかも棚の列と列の間に人が挟まった場合には、棚が自動的に停止する仕組みを加えることで、高い安全性も実現した。
さらに昭和56年には、コンピュータとの融合に初めてトライした「電動棚ICシステムコンボ」を開発。電動ラックをパソコン操作だけで簡単に動かせるうえ、在庫管理の記録も可能になった。アプリケーションソフトの選択によって、あらゆる収納品の迅速で正確なピッキング、管理が、誰にでも可能になった。
また2年後の昭和58年には、フォークリフトに乗ったままでリモートコントロール操作ができる「リモコンEH」を開発。物流業務における作業性、操作性の飛躍的な向上に、次々と貢献した。
移動棚は、物流倉庫にも革命を起こした。~フラットボードZ、金剛十文字膳、ブックロボ
昭和58年に開発した「フラットボードZ」は、倉庫における直積みの欠点を克服する物流機器だった。倉庫の床面に数本のレールを敷き、その上に移動フロアを載せた。これに物品を積み、保管・管理をするのだ。フォークリフトの通路以外のスペースを100%倉庫として利用できるため、直積み時の3倍もスペースを有効利用できる。直積みの短所であった先入先出しの作業性の悪さも解消。在庫管理の合理化が可能になった。
また移動棚は、ピッキング装置との融合も始める。昭和63年、移動棚にオートピッキング装置を組み合わせた自動移動棚「金剛十文字膳」を開発。
パソコンに棚の位置を指示すると、棚が自動的に移動、同時にオートピッキング装置のクレーンが棚の到達点まで動いて、荷物を出し入れする。作業スピードが格段に向上した。
さらにこの「十文字膳」が、中軽量物タイプへと進化したのが、平成4年発売の「ラックロボ」である。新たに開発したベルト方式のピッキング装置を備え、棚板上のダンボールケースをそのまま直接出し入れできる。一般的な自動倉庫に比べ、保管スペースは2分の1から3分の1、コストも大幅に削減。その成功が、図書館自動書庫システム「ブックロボ」の開発へとつながっていく。
人工知能がもたらした、新しい利便性。~電子電動棚AEX
多機能化の波と、技術陣のあくなき研究はやがて、「自ら考える移動棚」をも出現させた。
平成7年に開発・発表された「電子・電動棚AEX」は、初めて人工知能を搭載した製品である。大きく5つの特徴を持っていた。
①ヘルプ(操作支援)機能:初めての方でも安全に操作ができるよう、電動棚の操作方法などを表示
②モニタリング(監視) 機能:電動棚のトラブルを常にマイコンが監視。万一トラブルが起きた時には液晶画面でエラー表示・アラーム表示をする
③セルフアジャスティング(自己診断)機能:荷重条件などによるモーターの出力を自己診断し、適切に調整。棚の開閉時間も常にチェック。
切り忘れた電源も自動的に切り、電気代節約や安全性確保に威力を発揮
④クリアメッセージ(液晶表示)機能:タッチパネル式液晶ディスプレイを採用。操作がより簡単に
⑤作動パターン変更(通路選択) 機能:単通路、多通路から集束、均等分散まで、作動パターンを変更可能
人にも、環境にも、どこまでやさしくなれるか。~マルチクリーン移動棚、ハイパワー移動棚HPZA
高温多湿な日本は、カビが生えやすく、生物劣化が起りやすい気候風土である。そんな中で、棚の収容物をいかに最適な状態に保つのか。また書庫や収蔵庫の埃やカビ、臭気、雑菌などから、利用者の健康をいかに守るのか。それが、移動棚に新たに与えられたテーマであった。
そこでコンゴーが開発したのが、「マルチクリーンシステム」。光触媒酸化チタンによる脱臭・分解、HEPAエアフィルターによる除菌、調湿装置による定湿化などの相乗効果によって、健康阻害要因、湿度劣化、生物劣化を抑制することに成功した。

除菌効果落下菌試験
悪環境条件下にてマルチクリーン棚内および棚外にカビ用培地の入ったシャーレ(Φ90mm)を1時間設置し、落下菌を採取後、培養検出しました。
マルチクリーン棚内において稼働24時間後、菌数が大幅に減少しました。

また平成13年に発売した「ハイパワー移動棚HPZA」は、究極ともいえる操作性を実現。
業界最速で動き、最短で停止。軽くスムーズな開閉は、まるでふすま感覚だ。駆動部にDCモータとABS機構を施すことにより、人の手の動きに合わせた開閉が可能になった。
(2005年2月刊行)
