矢印アイコン

PAGE TOP

  • 図書館

特集 世代間交流拠点~高度なサービス提供「鯖江市文化の館」

鯖江市文化の館

注意発行当時の記述について

本記事は、金剛株式会社が1998年06月12日に発行した機関誌「PASSION Vol.22」の内容を、当時の記録として公開するものです。

記事内の情報は発行当時のものであり、現在の状況とは異なる場合があります。また、当時の社会情勢や倫理観を反映した表現が含まれている可能性があり、現代の基準に照らし合わせると一部不適切と感じられる箇所もあるかもしれませんが、資料的価値を考慮し、原文のまま掲載しています。

掲載されている商品やサービスは、既に販売・提供を終了している場合があります。現行の製品については、改めて最新のカタログ等をご参照いただくか、弊社までお問い合わせください。


※ 本記事は、著作権法上の引用の範囲内で掲載しています。当時の記録として、皆様に楽しんでいただけましたら幸いです。

鯖江市文化の館
鯖江市文化の館 全景:タイル・御影石を張り上げた外壁、世代間交流拠点にふさわしいシンボリックな外観

 親鸞聖人ゆかりの浄土真宗総本山・誠照寺の門前町として開かれ、その後、城のない陣屋町として栄えてきた福井県鯖江市。現在、日本の眼鏡のシェア約90%を誇る眼鏡の産地としても知られる。
 このほど、市の中心部に鯖江市文化の館が完成、平成9年12月6日にオープン。
 文化の館は、従来の図書館機能に、映像文化を中心とした文化振興機能と交流機能をプラス。心豊かに現代を生きていく為の拠点と位置付け、市民より大きな期待と注目を集めている。


鯖江市文化の館

建築名鯖江市文化の館(複合施設)
所在地福井県鯖江市水落町2丁目25番28号
設計監理協同組合・福井県建築設計監理協会
施工清水・真柄・木下 特定建設工事共同企業体
構造鉄筋コンクリート造・地上2階、地下1階
延床面積約6,656.58㎡
開館平成9年12月6日
蔵書能力全43万冊(開架18万冊、閉架25万冊)

世代間交流拠点として

【主な経緯】

H4年 5月  地方拠点都市地域法律案が成立
H5年 4月  丹南地域が同法律の地域指定
  12月  丹南地方拠点地域基本計画策定
H6年 3月  検討委員会、ワーキング開始
   6月  基本構想策定
  12月  推進協議会設置
H8年 3月  「文化の館」建設発表
   8月  起工式・着工
H9年12月  竣工・開館

【複合文化施設】

 ここ鯖江市文化の館は、
①鯖江市 図書館
②鯖江市 視聴覚ライブラリー
③鯖江市 映像情報館
から成る複合施設であり、文化情報の全般に渡り、高度なサービス提供を目指している。

現代人が求める情報のオアシス

 ここで同館の主なコーナー・概要を紹介してみよう。

①図書館  

 館の中核となる施設。約6.656㎡のスペース(旧館の約4倍)には最大43万冊が収容可能。北陸で最大を誇る希有の大規模施設と呼べるもの。
 館内の天井・柱は爽やかな白を基調とし、主役である本とそれを引き立たせる書架の存在感を充分に引き出し、全体的に落ち着いた雰囲気を醸し出している。

●一般閲覧室(約1,103㎡)

 正面玄関を抜けると、複柱式の木金混合書架が整然と並ぶ一般閲覧室。最大収容冊数、約15万冊。これが世界初の免震自立書架である。
 万一、阪神大震災規模の大地震が襲っても、地震エネルギーを最小限に抑制する独自の免震機構を有し、書架の倒壊・本の落下を防ぐ画期的なシステムである。
 当初は耐震自立書架で計画が進行していたが、当社免震プロジェクトによる鹿島技術研究所での振動実験「耐震自立書架.vs.免震自立書架の性能比較」についてプレゼンテー ションさせて頂いた結果、一般閲覧室には免震自立書架が最適であるとご理解頂き、採用に至ったいきさつがある。

(左上)受付開始カウンター:パソコン活用により貸出返却を迅速・正確に処理
(右下)整然と並ぶ世界初・免震自立書架
(左上)受付カウンター:パソコン活用により貸出返却を迅速・正確に処理
(右下)整然と並ぶ世界初・免震自立書架

●新聞・雑誌・CDコーナー (約307㎡)

 1階の円型のコーナーには、64席のブラウジングソファ一を用意、リラックスした姿勢で新聞・雑誌・文庫・CD・FMなどを楽しむことができる。

雑誌関係は約200種類と豊富。
各柱部分にはCD等を視聴する為のジャックが備え付けてある。
雑誌関係は約200種類と豊富。
各柱部分にはCD等を視聴する為のジャックが備え付けてある。

●児童閲覧室(約482㎡)

 立体トラス構造の高い天井、そしてトップライトにより自然光を最大限に取り入れた空間。屋外にいるような開放感を創出している。最大収容冊数、約3万冊。62の閲覧席が用意されている。
 書架・椅子テーブル等に関しては、小さい子供のサイズに合わせて設計、本の取り出し易さ、探し易さを追求。ユニークな造形の読書室の中では、子供たちが寝ころんで本を読んだり、遊んだり、お話に夢中になったり。自由で夢いっぱいの空間を提供している。

児童閲覧室:明るくノビノビした環境で本に親しめる
児童閲覧室:明るくノビノビした環境で本に親しめる

●大型本コーナー

 主に美術本を扱うコーナー。高さ31㎝以上の大型本約2千冊を収容している。
貴重な美術本でも一般図書同様、貸出が可能となっている。

大型本コーナー:貴重な美術本が沢山揃っている
大型本コーナー:貴重な美術本が沢山揃っている
畳の間では、中高生達がお年寄りと混じり、囲碁や将棋を楽しむ姿も。
畳の間では、中高生達がお年寄りと混じり、囲碁や将棋を楽しむ姿も。

●閉架書庫(510㎡)

 職員のみ利用可能な地下開架書庫、旧館より丸ハンドル式の免震移動棚Z (25万冊収容)が移設されている。

免震移動棚Z:抜群の週能力と安全性を誇る
免震移動棚Z:抜群の収納力と安全性を誇る

②視聴覚ライブラリー

●制作編集室

 教育団体を中心に16㎜フィルムやビデオテープ等の編集・貸出を行っている。
 ハイビジョン静止画編集・ノンリニアビデオ編集・ナレーションシステムなど一通りの機器を完備している。

最新の映像編集機器が自慢
最新の映像編集機器が自慢

③映像情報館

●多目的ホール

 164人収容の多目的ホール。国内有数のハイビジョンプロジェクター、200インチスクリーンを導入。
 照明・各種音響設備等も充実。映画上映・講演会・コンサートなど多彩な催しが可能。

リアルな映像・ハイビジョン
リアルな映像・ハイビジョン

●LAN研修室

 パソコンLAN(ローカルエリアネットワークの略)を構築しており一般開放。パソコン講座・研修会等に多くの人々が利用している。

LAN研修室は常に満員状態
LAN研修室は常に満員状態

免震自立書架導入の基本コンセプト

免震自立書架:免震機能とデザインが巧に融合
免震自立書架:免震機能とデザインが巧みに融合

免震自立書架の特徴

免震ベース
 書架の基礎部(ベース)に免震装置を取り付けることにより、地震の揺れを吸収し、書架の転倒・倒壊及び本の落下を防ぐ。

制限装置
 下部台枠に内蔵し、地震時に免震自立書架の移動量を制限し、動きを安定させる装置。

台枠
 組立は溶接構造としている為、台枠全体が一体化され、丈夫であり、ネジレ等が生じない構造である。

原点復帰装置
 地震がおさまった後簡単に原点位置へ復帰させる装置も内蔵。  

免震自立書架の下部:床空調にも対応
免震自立書架の下部:床空調にも対応

門型一体構造
 書架の上部を構造体でつなぐことにより、より安定した状態で書架を支えることが出来る。又、書架と書架の通路閉塞防止にもなる。

デザイン的にもバランスがよくまとまっている。
デザイン的にもバランスがよくまとまっている。

デザイン
 木の暖かい素材に、書架のガンメタリックが巧妙にマッチング。
支柱の前面と側面は支柱一体型のパネル構造となっており、重厚な雰囲気を醸し出している。
又、天井を照らすやわらかな間接照明がやさしく、全体を包んでいる。  

書架開口部分:支柱との一体パネル構造により独特の重厚感を創り出している。
書架開口部分:支柱との一体パネル構造により独特の重厚感を創り出している。
書架の正面:上部の間接照明や門型一体のデザインがおもしろい。木はナラ材を使用している。
書架の正面:上部の間接照明や門型一体のデザインがおもしろい。木はナラ材を使用している。

最後に

 本年4月からは、図書館友の会(ボランティアグループ)運営の喫茶コーナーをオープンし、また館の北側には現在、駐車場及び交流広場を拡張・整備中であり、
利用者の視点に立った、身近でより親しまれる世代間交流拠点づくりを目指す考えである。

(1998年6月12日刊行)