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本記事は、金剛株式会社が1995年08月10日に発行した機関誌「PASSION Vol.17」の内容を、当時の記録として公開するものです。
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日本の図書館の現状
経済先進国でありながら、図書館に関しては低い位置にある日本。しかし、ここ数年、後ればせながら各地に図書館振興の動きがみられ、建設が増加しつつある現状となっている。特に町村における図書館設置率はここ10年の間に15%~20%へと上昇している。情報化・高齢化といったことをあちらこちらで耳にする今日、そしてこれから急激に変化していく現代社会では、常に新しい情報、職業上の知識、社会的知識といった様々の知識の取得が我々1人1人に要求されるのであろう。さらに、日常の生活・趣味のための学習も「自己の充実」を図るため
の一つの学習である。つまり、学校教育だけではない、何らかの面での学習活動がこれからも、常に必要というわけだ。生まれて間もない幼児教育から学校教育、社会教育、日常生活・趣味に至るまで、「学ぶ」という、生涯学習時代なのである。図書館という施設は、教育上、職業上、趣味、その目的に関係なく、住民の自発的学習意欲への支援、情報提供の場という役割をもつものである。生涯学習時代となった今、このような重要な位置にある図書館の整備・拡大・充実が不可欠なものとなってきたといえる。
質のある図書館づくりの必要性
「図書館をつくる」といってもただ建物をたてるだけでは何の意味もない。図書館が十分な機能をもち、そして、住民に対してその役割を果たす。つまり、質的側面からの図書館づくりが必要であるといえる。その一つとして、住民に対するアピールが考えられる。これまで、図書館へ対して、気軽に立ち寄りがたい。閉ざされた図書館というイメージを持ってきた人も少なくはないだろう。情報化社会・生涯学習時代にある今日。図書館というものが、単なる建物であってはいけないのだ。いつでも、どこでも、だれでも利用できる開かれた図書館でなければならない。複合施設にみられる図書館もそういった意味で利用しやすいといえるであろう。しかし、そこでもアピールすることが必要である。現に、美術館や文化ホールでは、テーマ性をもったイベントが開かれており、それを知った住民はそこへ訪れる。図書館も同じ感覚で利用
すべきではないか。
ある町立図書館では、町内のボランティアグループと司書が共同で「親と子のお楽しみ会」を開いたり、これに加え、館のキャラクターをあしらった専用の手提げ袋を子供のいる家庭に配ったり、10月には町の読書強化月間に合わせ「読書デー」といった催しを実施したりと、町民に館の存在をアピールしたという。その結果、利用登録者は3割、中には半年で200冊、300冊借りた人も出たということだ。お金を払って本屋を利用する人はたくさんいるが、無料で利用できるはずの図書館はなぜか人が少ない。そういった現実からも、質のある図書館づくりを考えていくことは、図書館にとっての今後の課題ではないだろうか。
(1995年8月10日刊行)
