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(注意)本記事は、金剛株式会社が1999年12月17日に発行した機関誌「PASSION VOL.26」の内容を、当時の記録として公開するものです。記事内の情報は発行当時のものであり、現在の状況とは異なる場合があります。また、当時の社会情勢や倫理観を反映した表現が含まれている可能性があり、現代の基準に照らし合わせると一部不適切と感じられる箇所もあるかもしれませんが、資料的価値を考慮し、原文のまま掲載しています。掲載されている商品やサービスは、既に販売・提供を終了している場合があります。
本記事は、著作権法上の引用の範囲内で掲載しています。当時の記録として、皆様に楽しんでいただけましたら幸いです。
はじめに
福岡県久留米市に位置する久留米大学医学部附属病院は九州を代表する大規模病院の一つである。より高度化された医療に対応するために平成10年5月、総合診療棟が新築された。それと同時に滅菌コンテナ保管用の自動倉庫や業務委託等を取り入れたソフト面の導入も図られた。
本稿では減菌コンテナシステムの保管業務を分担する小型自動倉庫システムを納入したので、その概要について紹介する。

滅菌コンテナシステム
滅菌コンテナシステムは手術に使用される各種の医療器材を専用のコンテナ内に、手術の種類毎[1]にそれらをセットし、減菌して保管しておくシステムであり、 欧米を中心に発達してきた。最近、我が国の医療現場においても大規模病院を中心に本システムが導入される事例が増えつつある。
手術器材の再生リサイクル及び院内業務省力化・合理化の点から、従来の方法に比べ保管管理、作業性、 安全性等多くの面で有利な本システムが普及することは間違いないところである。
[1]久留米大学付属病院にあっては手術に使用する滅菌コンテナが 110種類に分類されている。
滅菌コンテナシステムの流れは図1のようになって いる。


滅菌コンテナ保管用自動倉庫
導入の経緯
前述の滅菌コンテナシステムを構成するために保管設備として小型自動倉庫システムが採用された。当初、回転ラック(バーチカル)で計画されていたが入出庫時の作業性、特に自動出庫の点が評価され、自動倉庫となった。
※滅菌とは:特定の環境(または物質)で病原性の有無にかかわらず、ウイルスなど含め、すべての生物を殺滅あるいは除去すること。医療器具、培地、医薬品等すべての微生物を除去する必要のあるものにこれを行う。滅菌された状態を「無菌的である(sterile)と呼び、あらゆる生物が生きて存在しないことをいう。

設置における配慮
1.低騒音・低振動・低発塵
自動倉庫システムの設置場所は中央手術部及び中央 滅菌材料部のある総合診療棟4階で、ちょうど真下の3階にレントゲン装置があり、振動を嫌ったので低騒音、 低振動に配慮した。
また、設置環境のクリーン度はクラス10,000[2]でゴミの発生も極力抑えるものとした。その対策としてアルミの引き抜きレールと防振ゴムの採用、ウレタンゴ車輪等、可能な限り金属同士の接触を避けた。
[2]医療分野における手術器具保管の環境のなかでは、かなり厳しいほうである
2.容易な操作性と安全性
自動倉庫は委託業者により主に操作され、夜間の急患等の場合には看護婦により必要コンテナの取り出しが行われることも想定されるため、誰にでもミスがなく容易に操作できる設備であることが要求された。そのためにバーコードによる入力やカーソルによるパソコン操作等、誰がやっても間違いのない方法がとられた。
3.出庫ラインの自動化
本自動倉庫には出庫ラインに10コンテナを連続して出庫できるコンベヤラインを有している。これによりオペレータは連続出庫中は他の作業を行うことができ、 作業の効率化になっている。
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今後の課題
高度化する医療体制に対応するために、滅菌コンテナシステムが導入され、その中心に自動倉庫システムが採用された。
従来、看護婦に委ねられていた手術器材の管理業務が省力化合理化されることにより、看護婦への負担が大幅に軽減され、本来の看護へ専念できるようになったことは最大の効果である。
今後は手術のオーダーとリンクした情報系をさらに充実させ、使用実績のデータベース化に伴い、最適なコンテナの保管状況に反映するなど、使用実績に基づく効率化が望まれている。
病院の概要
名称 | 久留米大学医学部附属病院 |
所在地 | 福岡県久留米市旭町67 |
病床数 | 1,263床 |
外来患者数 | 2,000名前後/日 |
手術症例数 | 25~35例/日 |
(1999年12月17日刊行)