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(注意)本記事は、金剛株式会社が1988年5月30日に発行した機関誌「PASSION VOL.4」の内容を、当時の記録として公開するものです。記事内の情報は発行当時のものであり、現在の状況とは異なる場合があります。また、当時の社会情勢や倫理観を反映した表現が含まれている可能性があり、現代の基準に照らし合わせると一部不適切と感じられる箇所もあるかもしれませんが、資料的価値を考慮し、原文のまま掲載しています。掲載されている商品やサービスは、既に販売・提供を終了している場合があります。
本記事は、著作権法上の引用の範囲内で掲載しています。当時の記録として、皆様に楽しんでいただけましたら幸いです。
金剛株式会社 代表取締役社長 谷脇 源資


プロフィール
職歴等及び賞罰
氏 名 | 谷脇 源資(タニワキ ゲンシ) |
生年月日 | 大正14年2月18日生 |
学 歴 | 昭和17年3月 大阪市立実業学校卒業 |
職 歴 | 昭和22年2月 個人経営にて創業 昭和26年1月 金剛株式会社を設立し代表取締役社長就任、現在に至る |
現 職 | 金剛土地株式会社 代表取締役社長 熊本リコー株式会社 代表取締役社長 株式会社金剛ビル 代表取締役社長 株式会社ホテルサンルート熊本 代表取締役会長 株式会社金剛建機 代表取締役会長 株式会社コンゴー測器 代表取締役社長 タイ コンゴーカンパニー 代表取締役会長 株式会社金剛電子研究所 代表取締役社長 熊本観光開発株式会社 取締役会長 株式会社熊本県民テレビ 取締役 株式会社熊本流通情報センター 取締役 その他 |
公 役 職 | 社団法人 熊本産業貿易振興協会 会長 熊本流通団地協同組合 理事長 熊本経済同友会 常任理事 熊本市工業振興懇談会 副会長 日本金属家具工業組合 理事 日本物流管理協議会 理事 日本MH協会 理事 不知火カントリークラブ 会長理事 熊本工業クラブ幹事 その他 |
賞 | 昭和62年1月29日 日刊工業新聞主催 第4回優秀経営者顕彰制度「地域社会貢献者賞」 昭和62年2月19日 日刊工業新聞・日本発明振興協会主催 第12回発明大賞「松原発明功労賞」一手動式移動書架 |
表彰事由
移動棚の開発と育成普及によるわが国の科学技術の振興
谷脇社長は昭和22年の会社創業以来、多年にわたり、様々な製品の開発、改良を支援し、特に移動棚はわが国でパイオニア的開発を手掛け、業界における生産性、品質の向上、省力化による経費の削減など、業界の発展に大きく貢献してきた。

科学技術庁長官賞とは
科学技術庁長官表彰制度は、庁議決定により制定された次の6種類の表彰より成っている。
- 科学技術功労者 (昭和34年度発足)
- 研究功績者 (昭和50年度発足)
- 科学技術振興功績者 (昭和56年度発足)
- 創意工夫功労者 (昭和35年度発足)
- 創意工夫育成功労学校 (昭和34年度発足)
- 原子力安全功労者 (昭和56年度発足)
科学技術庁長官賞受賞製品


論文(抜粋) ハンドル式移動棚の顕著性について
はじめに
移動棚は空間を最大に有効利用できると共に経済的で、しかも安全で操作が非常に容易に行なえることが条件と思料します。その条件に合致するのが、ハンドル式移動棚です。ハンドルで棚を移動させる事は当時画期的な出来事で、誰しも皆、油圧機構を使うか、バッテリーを搭載して電気の力で移動させていると疑ったものです。

- 発売当時はオイルショック時代で、省スペース、省エネ技術が嘱望され、発表と同時に爆発的な人気があり、14年経過した現在でも人気は全く衰えていません。
- 低い減速比(ハンドル軸 12山、中間軸 26山・12山、車輪軸 22山) で構成して、ハンドル1回転で93.3m/mと移動距離を伸ばして、しかも非常に軽快に作業ができるようにしています。(以前 1/5306、現在1/ 5500の力で移動)
- 力の伝達はローラーチェンにより抵抗を小さくして、ハンドルを操作性のよい高さに設けています。
(平ギヤー、ベベルギヤー等の組合せでは、任意の位置にハンドルを設ける事は困難です。又、ギヤー等では抵抗が大きく、騒音も大きくなり、価格的に相当高価になります。) - 丸ハンドル(意匠登録)で、より一層操作性を上げ(身長に左右されずに操作可能)、しかも慣性がはたらいても容易に停止させる事ができます。(大容量の棚ほど慣性が働きます。)
- 低い減速比の為、車輪の直径をΦ118m/mとし、台枠 (台車)を110m/mと低くして、収容効率を上げると共に、最上段の棚の出し入れを容易にしています。
- 側パネル厚(操作側)は機構をシンプルにして、つい最近まで70m/m、現在センターロック採用により80m/mとし、電動式と全く変わりません。
- ハンドルを操作する棚の移動だけでなく、他の棚までスリップせず一度に複数台移動できる機構は特殊駆動方式によるものです。
- 車輪は全て通し軸で連結し、しかも中間軸を設けて斜行を防いでいます。バランスとれていない載せ方をしても斜行しません。
(電動式は各台にモーターを設け各台に停止用リミットスイッチを取付けていますので、奥行がせまく、長いものは斜行が防げず、所望の通路幅が設定できません。) - 免震性に優れ、収容物の落下も電動式に比較するとはるかに少なく、電動式のような転倒もありません。
- 危険物等、特定収容物の保管に適しています。
■パテント番号
(実用新案 第1264830号)
※実公昭53-16431


(1988年5月30日季刊)