文化財レスキュー事業は、熊本地震によって被災した熊本県内の動産文化財等を緊急に調査・保全し、我が国の貴重な文化財等の
廃棄・散逸を防止することを目的として実施されました。
緊急に保全措置を必要とする文化財等について、損壊建物の瓦礫とともに廃棄される前に救出し、
応急措置や施設での一時保管等を行います。
震災直後、十分な収蔵設備が整っていない中で各地から駆け付けた専門家の知恵と工夫により、
被災文化財を守る為の環境整備が進められました。
熊本地震発生からの時系列記録

活動内容

益城保管庫、氷川保管庫ともに既存施設を再利用しています。
いずれも本来は保管を専門としたつくりではないため、文化財に適した保管環境を整えるべく作業が進められました。
益城保管庫 <熊本県>

保管庫に集められた被災文化財
公費解体が進むにつれ、家屋の解体前に
文化財を預けたいという相談が増えている


Before

After
広場は震災瓦礫の集積場へ
窓の手前に全面木製板を配置、セキュリティの確保と直射日光を遮蔽する効果がある
氷川保管庫 <熊本県>

Before
窓はなく、全面シャッターで開閉する

After
シャッターの手前に大型網戸を設置。
気候条件を活用した換気と温湿度制御を図る

有り合わせの木材で作られたスノコ
文化財をスノコの上に置いて保管することで、通気性を確保する


Before

After
壁の板張り部分へ網戸を設置
関連リンク
PASSION Vol.38
〈特集〉平成28年熊本地震
文化財レスキュー事業の活動詳細について、取材記事をご紹介しております。
熊本史料ネット