1.収蔵庫扉の選定
通常の火災による火熱が扉に加えられた場合、火熱開始から1時間にわたり、火災を出さない防火戸(スチールドア)を特定防火設備と言います。(※1) 下表の3タイプはいずれも特定防火設備適合品ですが、収蔵庫扉はさらに庫内温度を文化財の耐熱温度の目安である80℃以下に一定時間にわたり保つことができます。スチールドアに比べ、防盗性に優れていることから、耐火・防盗性能を重視したい場合は、収蔵庫扉を推奨します。
扉の種類 | 収蔵庫扉 2時間耐火型 | 収蔵庫扉 30分耐火型 | スチールドア (特定防火設備) |
SZT-120W 2時間耐火扉 特定防火設備に準じる(※1) |
SZT-30W 30分耐火扉 特定防火設備に準じる(※1) |
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耐火性能 | 庫内温度80℃以下 | 庫内温度80℃以下 日セフ連・金庫設備試験規格合格品 |
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耐火材 (気泡コンクリート) |
耐火材 (気泡コンクリート) |
耐火材 (ロックウール) |
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防盗性能 | ◎ | ◯ | △ |
(※1)国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの、または認定を受けたものに限ります。詳細は建築基準法施行令112条を参照ください。
2.施錠の種類
建物全体でセキュリティを管理するため、電気錠を採用する施設が増えています。
用途に合わせて、2時間耐火扉には2種類、30分耐火扉・特定防火設備には1種類の鍵を取り付けることができます。