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Another PASSIONシリーズ

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和歌山市民図書館

待つのではなく、自分たちでできることを


し手:中西 真生(和歌山市民図書館友の会 会長)
聞き手:原田 亜美(金剛株式会社 社長室)

※所属・役職は取材当時のものです。

|和歌山市民図書館×和歌山市民図書館友の会|Another PASSION|:PASSION+:KONGO

和歌山市民図書館友の会 中西様

市民の参加が盛んになってきていることで知られる和歌山市民図書館。その流れを受けて昨年、有志の市民団体「和歌山市民図書館友の会」(以下「友の会」)※ が立ち上がりました。今回は、「友の会」会長の中西様にお話を伺います。
 

※図書館友の会…特定の図書館を支援するボランティアを中心に構成される組織。

 

―もともと市民図書館は利用されていたのですか。

 
 和歌山市で生まれ育ちましたので、幼少時に利用していました。また、楽器の演奏をしているので、大学生の頃などにはCDを借りに行きました。なかなか利用できない時期もありましたが、自分の子供が生まれてからは利用する頻度が上がりましたね。
 

―利用者として利用するだけではなく、図書館の活動に参加するようになったきっかけは何ですか。

 
 自分で作った音楽団体での活動ですね。この団体では、朗読会の中でミニ演奏をするというイベントに参加していました。あるとき会場が和歌山市民図書館になり、私たちもいつものように演奏のため参加したのですが、その朗読会が終わってから「次は朗読会の一部としてではなく、演奏がメインのコンサートイベントをしましょう」と司書さんからお声をかけて頂いたのです。ちょうどその頃は、市民図書館としてもイベントを増やそうとされていた時期だったようです。そして、市民図書館にとって初めてのコンサートとなった「本と音楽で楽しむジブリの世界」というイベントに参加させて頂きました。このことを契機に、市民図書館へ継続的に出入りするようになります。これが平成26年頃のことでした。
 ちょうど同じころ、私の知人にも図書館運営に興味を持ち始めた人がいたため、私が市民図書館の司書さんと引き合わせることになりました。そして知人たちとともに司書さんや図書館との関わりを続ける中で、司書さんのほうから「和歌山市民図書館にも『友の会』があれば助かる」というお話があり、私とその知人たちでその役割を引き受けることにしたのです。もともと私自身も和歌山市の人々が読書に対して興味関心が低い※ という話をよく耳にし、課題に感じていたという背景もありました。
 

※和歌山市の二人以上の世帯1世帯あたりが1年間で書籍・その他の印刷物の購入に使う費用は41,704円(平成26年時点)。全国52の都市(政令指定都市及び都道府県庁所在市)中39位となっている。
参考:総務省統計局 家計調査 http://www.stat.go.jp/data/kakei/index.htm

 

―そして平成27年6月に、「和歌山市民図書館友の会」の設立に至ったのですね。

 
 はい。しかし私を含めたメンバーは当時、まだ図書館機能や司書さんの仕事について詳しく知らない状態でした。そこで、司書さんに図書館に関することを教えてもらう勉強会を数回開催し、レファレンスや移民資料室に関するお話を聞かせて頂きました。
 設立以来そうして下地を作ってきましたが、おおむね準備が整ったと感じたので、今年(平成28年)5月には会員を広く募集し始めました。現在、会員は20名ほどです。街おこしや市民活動にも日頃から参加している会員が多いですね。月に1度の会議で方針を決めて、活動しています。
 

―現在の活動内容について教えてください。

 
 

修復作業を体験する「友の会」のメンバー


 現在は、図書館のお手伝いをすることで活動実績を作っていこうとしている段階です。具体的には図書館の清掃のお手伝いや、図書館が企画したイベントのお手伝いなどをし、さらに司書さんとの交流も増やしていこうと考えています。まだ慣れていないのですが、図書の修復作業もいずれお手伝いできるようになりたいですね。
  ゆくゆくは自分たちでイベントを企画運営したい思いもありますが、イベントという大きなことを任せて頂くためにも、まずは市や司書の方から「友の会」を信頼して頂けるような実績を作る必要があると考えています。
 

「図書館手帖」創刊号

 また、「図書館手帖」というパンフレットを作成しています。5月に創刊したばかりですが、年に4回発行する予定です。いずれここでも図書の修復作業のことを取り上げたいですね。修復作業はあまり一般に知られていない仕事だと思いますので、その大変さを伝えたいと思います。そして市民の方に「借りた本は大事にしなければ」と改めて意識して頂ければ嬉しいですね。
 

―図書館で活動をしてみて、気づいたことはありますか。

 
 図書館の認知度が非常に低いことを感じました。イベント開催時に、「イベントに参加したいのだが、図書館の場所が分からない」という問い合わせがあるほどです。図書館について広く知らせていくことは今後の重要な課題だと思います。先ほどの「図書館手帖」の発行などで、少しでもそのお手伝いができればと考えています。

 

―市民図書館では新図書館の計画がありますが、新図書館に期待することはありますか。

 
 新図書館を通して市民が図書館に興味を持つきっかけになり、ひいては読書への興味関心が向上することに繋がればいいと思っています。
 ただし、「友の会」は新図書館への提言のために設立された団体ではありません。ですから新図書館にすべてを期待するのではなく、現在の図書館に対して自分たちなりにできることを引き続きしていきたいと考えています。
 

―それでは今後の「友の会」としての展望を教えて下さい。

 
 明確なゴールは設定していませんが、やはり図書館や司書さんの仕事の認知度の低さや、地元の読書への関心度の低さという課題の解決に少しでも寄与できるような活動を続けていきたいですね。こうした課題については、誰かがどうにかしてくれるのを待つのではなく、草の根的な活動をしていくことが大事だと考えています。
 図書館の盛り上がりは、その自治体の文化度の指標だと思います。図書館のお手伝いすることを通して、和歌山市の文化の活性化に少しでも貢献していきたいです。
 

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

 

<取材日:平成28年8月8日>

 

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