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Another PASSIONシリーズ

目次

恩納村文化情報センター

地域の力を活かした“読書環境づくり”


話し手:呉屋 美奈子(恩納村教育委員会 社会教育課 恩納村文化情報センター 主任)
聞き手:原田 亜美(金剛株式会社 社長室)

|地域の力を活かした“読書環境づくり”|恩納村文化情報センター|Another PASSION|:PASSION+:KONGO

平成27年4月23日、沖縄本島の中央部に位置する恩納村に、観光情報フロアと図書情報フロアを併せ持つ公共施設「恩納村文化情報センター」がオープンします。
今回は、その準備室で活躍されている呉屋さんにお話を伺いました。
 
 

―まず、準備室設立の経緯を教えてください。

 
 もともと恩納村には、公民館図書室もふくめた図書館施設が一切なく、以前より住民から「村立の図書館をつくってほしい」という意見が出ていました。そうした状況を受けて、村は10年ほど前に図書館の必要性を検討する委員会を立ち上げました。その委員会での検討をもとに、平成19年には村の総合計画において図書館づくりが提唱されました。そして平成23年の4月には村役場の中に準備室が設立され、私が配属されることになりました。
 

―準備室ではどのような活動をされていたのですか。

 
 着任してすぐに、村役場の各課長で構成される委員会と、各係長で構成される作業部会を設けていただきました。その委員会・部会の中で、恩納村らしい施設を全員で検討した結果、「図書情報フロアと観光情報フロアをあわせもつ情報発信拠点施設」として建設することが決定しました。様々な課が一緒になって一つのプロジェクトを進めていくという取り組みは村でも珍しいことだったようですが、視察や研修で施設の必要性は皆さんに理解して頂けたため、スムーズに進みました。準備室設立1年目のうちには施設の場所もさっそく決定し、翌年の平成24年の設計業務、平成25年の着工を経て、平成26年の竣工に至りました。現在はオープンに向けて最終準備中です。
 準備室では、そうした施設づくりと並行して、読書環境の整備・充実にも取り組みました。これまで村内に図書館機能を持つ施設がなかった地域ですから、まずは村の方々が読書にもっと親しみを持てるようにすることが重要と考えたためです。

村の特徴である美しい海を眺めながら読書ができる

 そこでまず、準備室設立1年目から、恩納村に隣接する金武町(きんちょう)、読谷村(よみたんそん)の図書館の本を、文化情報センター開館までの期間限定で、恩納村の住民にも貸出してもらえるようお願いに行きました。教育委員会同士が協定を結び、翌年から実現しました。
 また、準備室設立3年目からは、ある程度の図書と図書館システムを導入し、村役場内にある準備室において図書の貸出し・返却を行いました。
 読書環境を整えるために、準備室の中でできるだけのサービスをさせてもらったつもりです。
 

―地域の方々の反応はどうでしたか。

 
 準備室で図書の貸出し・返却を行っていた期間には、役場が開いている平日9時~17時のみしか利用できないにもかかわらず、子供やそのお母さん方を中心に多くの利用がありました。利用者の方がいつも準備室にいるところを役場の皆さんも目にしていましたので、これまで恩納村では読書環境が足りなかったのかもしれないと改めて実感して頂いたようです。
また、準備室に来て直接要望を言って下さる方もいらっしゃいました。実は私自身はもともとこの村の住民ではなかったため、この地域の方々の意見はできるかぎり聞き、村の現状と照らし合わせながら参考にするよう心掛けました。住民アンケートなども取りましたね。

3階展望室からの眺め

 

―準備室活動中の苦労や、今後の文化情報センターの課題などはありますか。

 
 当初よりこの施設は、ただ本を貸出すだけにとどまらず、村の政策とリンクできるものにするという狙いがありましたが、こういった事業への取り組みは村としても珍しい経験でしたので、関係者の皆さんとの意識合わせは大変でした。しかし共有してしまえばすぐに皆さんが協力的に動いて下さいました。そもそも小規模なコミュニティですので、部課を跨いでの打ち合わせや村長への上申など、役場内での意思疎通が迅速にできる土壌がありました。そのおかげで準備室活動も比較的スムーズに進んだと思います。結果として、施設の構想も「図書館機能と、この村の主力産業である観光を後押しできる機能を併せ持った情報発信拠点」という良い形に収まることができました。
 また、準備室活動を通して見えてきた課題としては、やはりまだ利用に偏りがあるということ、そして文化情報センターが地理的に村の一番端に位置しているということです。センターから最もはなれている名嘉真地区までは27kmの距離があります。そちらから通う人たちにとっては大変な負担ですので、それを解消しながら、どうやってより多くの人々に読書環境を提供するかも模索しています。一つの緩和策として、準備室設立2年目ごろから各地域の公民館を回り、そこで文化情報センターの本の貸出し・返却ができるようにしてもらえないかという相談も進めています。地域の人々のつながりが強い地域なので、それを活かして既存の施設と連携することをまず考えていきたいです。
 

―既存施設の有効活用ですね。

 
 公民館だけでなく、文化情報センターと隣接している博物館や農水産物販売センター「おんなの駅」と連携することも考えています。それによってレファレンスの充実や、企画の連動もできるのではと見込んでおり、現在具体的に打合せ中です。
 

―それでは最後に、オープン後の恩納村文化情報センターが目指す姿や、施設に期待することを教えてください。

 

恩納村文化情報センターのマスコットキャラクター「よむぞう」

 まずはできるだけ多くの人に文化情報センターを利用して頂くことが、読書習慣のさらなる普及・浸透にもつながるかと思いますので、「子供からお年寄りまで、誰でも気軽に利用できる施設」を目指しています。そのため施設に来てもらえるきっかけになるような講演会や、参加型イベントもすでに行っています。たとえば文化情報センターの工事フェンスに絵を描く「夢のウォールアート」というイベントや、館のマスコットキャラクターのネーミング募集・表彰などです。今後も色々と企画していますので、より充実させていきたいです。
 そして更に、「人同士が結びつく施設」、「村の魅力を発信する施設」として、地域の方に対しても観光でいらっしゃる方に対しても、この村を好きになってもらえるきっかけを提供できるようになりたいですね。
 

―本日はありがとうございました。開館が楽しみですね。
開館後のお話も機会があれば聞かせてください。 

<取材日:2015年3月17日>

 
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外観

館内の様子

2階一般書コーナー

2階児童書コーナー

博物館とは連絡通路を介して繋がっている。通路内にもピクチャーレールがあり、作品の展示が可能となっている。

イベントで描いた絵をプリントしたブックトラック

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