社長メッセージ

昨年の熊本地震は、まさに金剛に大きな試練を投げかけました。しかし、これまで70年の中で学んだことは、試練の時こそ進むべき道を選ぶことができる。そして試練から得た力こそ、道を進む本物の原動力となり得るという経験です。
復興元年、これから金剛は創造的復興を目指します。そのために創業80年に向けて金剛のビジョンである「空間づくりから価値づくりへ」を次のテーマで実現します。
一つ目は、空間の価値をさらに高めるモノづくり。すなわち、得意とする棚や収蔵空間の機能、効率をより高める技術の進化です。
二つ目は、地震対策技術など防災減災の社会づくり。震災による経験から、本当に私たちを守ってくれる空間をハード、ソフト両面から追求します。
三つ目は、社会とつながった空間の質的価値づくり。実存のモノと情報に置換されるコトが、より緊密になる中で、機能や快適性を飛躍的に向上させる技術の深化に努めます。
まだ震災の影響を受けている方も少なくありません。肉体的、精神的な健康を取り戻すには、社会が健全な姿となることが必要です。第二工場や新実験棟は、金剛が企業として成長するための舞台でもありますが、同時に社会が健全であるための基礎でもあります。
創造的復興は、企業としてのモノコトの創造と同時に、ひとりひとりの幸福の創造を付加した復興です。これまで幾多の試練を乗り越えた金剛が、被災地域の先頭に立ってこの創造的復興を目指します。
2017年3月
代表取締役社長
田中 稔彦