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PASSION VOL.36 

東京農業大学図書館

専門大学図書館ならではの強み 


話し手:合田 豊二 (東京農業大学図書館次長)
    土屋 寛子 (東京農業大学図書館総務部事務課長補佐)
    畑川 直哉 (東京農業大学図書館情報管理部・大学史資料室事務課長補佐)
聞き手:矢賀部 仁 (金剛株式会社 社長室)

東京農業大学図書館

2014年4月に新図書館がオープンしました。施設の概要を教えていただけますか。

新図書館は旧図書館の跡地に建設されました。新校舎「農大アカデミアセンター」の地上9階地下2階のうち、地上3階から7階までが図書館で6階の一部は他の部署と共有しています。隣接する「農大の森」との一体感を重視して土や木の素材を感じさせるつくりとしました。地上階には45万冊収容の書架を、地下には60万冊収容の自動書庫を備えています。

今回の図書館新築に至る経緯と苦労された点を教えていただけますか。 

以前の図書館は昭和43年(1968)の竣工から40年以上経っており、狭隘化、老朽化の問題を抱えておりました。そのような中、世田谷キャンパス全体の再整備計画と相まって新しい図書館を建設することになりました。旧図書館と同じ場所での建設となったため、工事期間中の2年半の間は教室を利用して仮設図書館としてサービスを継続しました。とにかく大変だったのは仮設図書館への引越しと新図書館への引越しでした。ただ、この作業を通じて資料の整理が随分できたとも思います。仮設図書館で開架に配架してサービスに充てられるのは55万冊の蔵書のうち約25万冊のみで、残りの約30万冊は外部書庫に移管して必要に応じて宅配サービス、PDF送信サービスを併用しながらサービスを継続しました。

仮設図書館に持っていける限られた冊数の図書をどのように選別されたのですか?

図書の利用頻度は貸出回数だけで判断できるものではなく、館内閲覧の頻度も考慮しなければなりません。仮設図書館の開架書架にどの図書を持っていくかの判断は経験則に依る部分が多分にありました。とはいえ、総数の半分以上が外部書庫行きとなるわけで、最後は割り切りで判断せざるを得ませんでした。

仮設図書館での運営面の御苦労はいかがでしたか?

閲覧席の確保や利用者端末の配置など、やはりスペースに起因する苦労がもっとも大きかったと思います。もともと教室だったスペースを図書館として運用しておりましたので提供サービス全般にわたってなんらかの支障はありました。たとえば静粛を保ちたい閲覧席の隣にキーボード音が出る端末席を置かざるをえなかったりといった具合です。教員や学生の皆さんには不自由を強いたと思いますが、苦情を受けることもなく、皆さんのご理解に支えられました。

新図書館の施設や運営についてお聞きしたいと思います。1階のエントランスに立派な展示スペースをお見受けしました。

1階の展示スペースは「実学の杜」といって、ここでは農大の誕生と発展の歴史、榎本武揚と横井時敬という本学の礎を築いた二人の学祖について、それに東日本支援プロジェクトや国際協力といった昨今の本学の取り組みも紹介しています。開学の歴史からはじまって、現在・未来といった農大の全体を俯瞰できる内容です。旧図書館では大学史資料室、貴重書室、論文資料室の3つに分かれていたものを、新図書館では7階の大学史資料室・貴重書室の一か所に統合し温湿度管理も整備しました。これも新図書館の特長のひとつと言えます。

大学史資料室・貴重書室は7階の半分近くを占めているようですが、貴重書もかなり充実したコレクションをお持ちのようですね。

江戸期から明治期にかけての農書や農業、農学、本草、食に関する資料を中心に収集し、なかでも食品に関する古書はかなり充実していると自負しています。テレビの番組制作で資料の撮影依頼を受けることもあります。たとえば、日本人が、いつから“らっきょ”を食べ始めたのかというテーマの番組で、それが書かれた古書の該当ページを撮影させてほしいという依頼を受けたり。こういった問い合わせに応じられるのはまさに本学ならではです。先方が問い合わせてきた以上の資料を提供して差し上げられるよう、今後更にレベルアップしていきたいと考えています。そのためにも司書の教育も更に充実させたいところです。国会図書館か農大かと言われるぐらいになりたいですね。

新図書館がオープンして反響はいかがですか?

東京農業大学では夏休みに開催するキャンパス見学会の他に、週末を利用してキャンパス見学ツアーを開催しています。その中でも図書館は目玉スポットとして好評を得ています。オープンして間もないので利用者の評価についてはこれからといったところです。本学の学生の活動は研究室での研究やフィールドでの活動がメインです。そのため学生が図書館に足を運ぶ機会が少ないという特徴があります。これは理科系の大学に共通する特徴なのかもしれません。新図書館ではラーニングコモンズを組み入れたり、講義棟との連絡ブリッジを設けたりと利用者を呼び込むような新しい仕掛けを設計段階から取り入れました。こういったハード面での取り組みをいかに成果に結びつけるかは、図書館にとっての今後の課題とも言えます。

外部の方々との連携や今後の展望についてお聞かせください。

世田谷6大学コンソーシアムという相互協力協定があります。国士舘大学、駒澤大学、昭和女子大学、成城大学、東京都市大学、それに本学という世田谷区にキャンパスを置く6つの大学が加盟しています。コンソーシアム内では図書館の相互利用ができるサービスを展開しています。蔵書数は6大学合わせると600万冊にものぼります。これだけの冊数を所蔵している図書館は国内ではトップクラスです。しかも専門性の異なる大学が集まっていますので内容的にもかなり充実したものとなります。本学に無い資料は他の大学さんのお世話になることもありますが、逆に「生物や化学なら農大に行けばある」と言われるよう今後更に認知度を高めていきたいですね。これからも「農大の知のシンボル」として学生、教員、近隣住民などから広く愛される図書館を目指していきたいと思います。

本日はありがとうございました。


PHOTO GALLERY

農大アカデミアセンターの前に広がる「農大の森」。
樹高20mを超える木々が立ち並ぶ。

図書館が入る農大アカデミアセンターの正面入り口。
大型テラコッタスクリーンで土のイメージを喚起させている。

自動書庫。膨大な資料の中から要求した図書を出納ステーションまで搬送する。

出納ステーション

外観 東側。3階の図書館入口までは
直通のエスカレーターで行ける。

農大アカデミアセンターの1階に開設された「実学の社」。
農大開学の歴史に触れることができる。

7階貴重書庫。
植物や食品に関する古書がずらりと並ぶ。
岩崎灌園が著した日本最初の植物図鑑『本草図譜』や
貝原益軒が編纂した本草書『大和本草』など。

畑川事務課長補佐、合田次長、土屋事務課長補佐

東京農業大学図書館

 

 
所在地

東京都世田谷区桜丘1丁目1-1

開館時間

【授業及び試験期間中】

月〜金曜9:00〜21:00、土曜日9:00〜17:00

【授業及び試験期間以外】

月〜金曜9:00〜17:00、土曜日休館

休館日

日曜日および祝日、大学が定めた休業日

 

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