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PASSION VOL.33 November.2011
震災への取り組み

16 株式会社増進会出版社 大岡信ことば館

ことばで遊び、学べるミュージアム


話し手:岩本 圭司(株式会社増進会出版社 大岡信ことば館 館長)
聞き手:木本 拓郎(金剛株式会社企画チーム チームリーダー)

大岡信ことば館

 
[木本]静岡・三島駅前に、大岡信ことば館が開館しました。はじめに、経緯についてお話を伺います。
 
 
[岩本]大岡信ことば館は、全国に通信教育事業を展開している株式会社Z会の持ち株会社である株式会社増進会出版社の一事業部門として位置づけられています。
 
三島市出身である詩人・大岡信さんと弊社とのつながりは、増進会出版社創立60周年記念「若山牧水全集」(1992年)の監修をお願いしたところから始まりました。それから正岡子規選集(2001年)の編集をお願いしたり、詩や評論をZ会の学習教材に使わせていただいたりとずっと良い関係が続いてきています。 
 
大岡信さんは詩人でありながら多くの美術家や様々な分野の方々との交流があり、作家ご本人から作品を寄贈されるなどして、長い年月の間に、四百数十点にものぼる美術作品が氏の下に集まることとなりました。そしてこの度、弊社がJR三島駅北口にz会文教町ビルを建設するに当たり、建物内にそれら美術コレクションも展示できるような空間を作ろうということになったわけです。
 
私はもともと造形家で、この文教町ビルの建設に当たっては設計の段階からアドバイザーとして関わっていたんですね。そして大岡信ことば館設立に向けて、流れの中でというか、その準備に関わっていくことになった訳です。具体的には設立準備委員会を組織し、文学関係や美術関係の先生方にも参画いただいて、およそ2年ほど運営協議を重ねました。そんな中から生まれた基本構想が、ここを単に大岡信さんの美術コレクションを展示する場にするのではなくて、大岡さんは「ことば」をとても愛してきた人なのだから、ぜひ「ことばで遊び、学べるミュージアム」を目指そうということになりました。そしてその後、具体的な展示方法や建築設備、運営計画などを詰めていきました。
 
 
[木本]「ことばで遊び、学べるミュージアム」の具現化はいかがでしたでしょうか。
 
[岩本]当館のもう一つの大きなコンセプトが、「文学館でもなく、美術館でもない、新しい形態のミュージアムを目指す」ということです。一般的に言って文学館や美術館は作家の作品あるいは資料を「静的」に展示することが、展示におけるその主な内容になるのだと思いますが、当館では各企画展ごと「ことば」に向き合い「ことばと遊ぶ空間造り」をしていくことが、とても重要な内容になっています。そんな風に「ことばを真剣に考えてみること」は結構大変なことなのですが、実は案外楽しいことでもあるんですね。私どもスタッフも多くのことばに向き合い掘り下げながら、毎回の企画を練り上げています来館者の方々にも私たちのそんな熱意が伝わり、そこに「感性の連鎖」が創出できれば本当にうれしく思います。展示室には座布団も用意してあって、来館された方が展示室の中で床に座ることもできますので、その人その人の時間の中で、ゆったりと「ことば」と向き合っていただけたらと思います。
 
企画展示はおおよそ4ヶ月ごとに切り替えているのですが、展示ごとの「ことば」に関わる造形物の制作は、私を中心として当館のスタッフがそのほとんどを行っています。そのことでなかなか美術工芸社にはお願いできないような様々な形態の展示が可能になっているのだともいえます。
 
 
[木本]展示以外でも色々と活動されていらっしやいます。
 
[岩本]展示以外にも出版やイベント・講演会などの活動があります。出版に関して言えば現在大岡信さんに関する詳細なデータベースを構築中で、それをもとにこの12月には「大岡信全軌跡 年譜・書誌」(400頁+400頁程度)を出版予定です。そしてその後も「大岡信データべース」をもとに随時面白い出版をしていきたいと考えています。
 
イベントに関しては、伝統的な能楽と現代のことばをコラボレーションした「声の力・言葉の力」を何度か開催しました。非常に好評だったこともあり、今後も何らかの形で続けていきたいと考えています。また「ことばの広場」では小学生を対象に、読み聞かせをもとにしたイベントを開催していますが、こちらも多くの参加をいただいています。
 
 
[木本]最後に、展望についてお話を伺います。
 
[岩本]現在、来館していただいた方々にはアンケートをお願いしていて、展示空間について高い評価をいただいていることをうれしく感じています。また大岡信さんは中高年以上の方々には良く知られていて一定数の方にご来館いただいているのですが、最近徐々に若い来館者の方が増えてきているのがやはりうれしいですね。今後はもっともっと若い方に来館していただけるよう努力していきたいと考えています。
 
内容に関しても「ことば」をさらに掘り下げ、「ことば」ともっと遊んで、来館者に驚きをもって接していただけるような、そんな空間を提供していきたいと考えています。
 
ここは三島という地方都市ですが、ぜひ「三島のことば館に行ってみなければ」と思っていただけるような、そんな活動を今後も展開していかなければと強く感じているところです。また東京から新幹線で1時間なので、そんなに遠いところではないことも知っていただきたいですね。
 
最後に、ことぱは単に文学、文章の中にだけあるのではなくて、美術や、音楽や、舞踊のような身体表現も、同じことばなんですね。私たちの周りにはことばが溢れていると思います。そんなことばをもっともっと広い意味で捉え直していくことで、私たちの視野はずっと広がると思いますし、何といってもそれ自身が楽しいことですよね。
 
 
[木本]本日は貴重なお時間を頂きまして、ありがとうございました。
 


株式会社増進会出版社大岡信ことば館
所在地:静岡県三島市文教町1-9-11 Z会文教町ビル1・2F
TEL:055-976-9160
開館時間:10:00~17:00
入館料:入館料は展覧会によって異なります。
休館日:水曜日(祝日にあたる場合は開館、翌日木曜日休館)
    年末年始、展示入替期間、メンテナンス期間
URL:http://www.zkai.co.jp/kotobakan/


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