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PASSION VOL.30_September.2006

05 九州国立博物館との取組み 

室内空気中化学物質を評価する



川村 秀久
Kawamura Hidehisa
(財)九州環境管理協会
調査分析部主任研究員

 
空気中化学物質を評価する
 
 室内空気中には、空気の主成分である窒素や酸素以外にも様々な化学物質が含まれている。その化学物質の中には、ホルムアルデヒドやトルエンなど健康被害(シックハウス症候群)を及ぼすものや、アンモニアやギ酸・酢酸など文化財劣化(腐食・変色)を引起すものが、極微量の濃度であっても存在している場合がある。その場合、化学物質の種類を特定しその空気中濃度を正確に把握すること、さらに発生源をつきとめて低減化対策を講じることは、健康被害・文化財劣化を未然に防止するために極めて重要である。また、博物館において清浄な室内空気を維持管理することは,広い意味でのIPM活動の一つとして理解されている。
 
 (財)九州環境管理協会は、九州国立博物館の室内空気中化学物質を評価する機会を与えられ、竣工から現在に至る様々な取組みの支援をさせていただいた。その室内空気中化学物質を評価する一般的な方法は、変色試験紙法や検知管法などの簡易分析法と、ガスクロマトグラフ質量分析法などの精密分析法とに分類される。前者は現場での迅速な評価が可能であるのに対して、後者は前者に比較して非常に高い精度での評価が可能である。九州国立博物館では、簡易分析法と精密分析法を組み合わせ、かつ博物館という特殊構造物の特性を考慮した評価方法の検討を試みた。この方法により、来館者や職員の方々が使用する居室等だけでなく、文化財を収納する展示室、収蔵庫、展示ケース等の室内空気中化学物質の特定とそれらの濃度および経時変化情報を把握し提供することができた。これらの情報は、その後の清浄な室内空気の維持管理に役立てられている。
 
 (財)九州環境管理協会は,九州国立博物館との協働により、上述の大変貴重な経験をさせていただいた。「この経験を博物館科学の分野に還元していくことが我々の役割」であると強く自覚している。
 

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九州国立博物館,収蔵庫

サンプリング風景

九州国立博物館,収蔵庫

ガスクロマトグラフ質量分析研究

 
 

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