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市民アンケートや市民満足度調査から
図書館サービスの強化を図る

安曇野市中央図書館


interview

内観
話し手:青柳 温男さん(安曇野市中央図書館 館長)、小林 敬治さん(安曇野市教育委員会 文化課図書館係 係長)、奈良澤 一恵さん(安曇野市教育委員会 文化課図書館係 主査) ※所属・役職は取材当時のものです。
 

  
ー本日は安曇野市中央図書館を訪問しました。はじめに安野市中央図書館の概要についてお話をお伺いします。
 
奈良澤 平成17年10月に5町村が合併して誕生した安曇野市における図書館は、5館のうち4館はいずれも手狭で資料整備が困難な状況でした。また館内に憩う場所もなく交流の場にはなりにくい、ITや視聴覚関係設備が整っていない、子ども・お年寄り・障害のある人などへのサービスが充分に行われていない、など多くの課題を抱えていました。平成20年の市総合計画の中で図書館整備の方針が打ち出され、「信頼され、地域の力となる図書館を目指して」をスローガンに、約20万冊の新中央館が平成21 年に開館しました。
 
 
一般書コーナー

一般書コーナー
 


ー図書館づくりに、考えたこと・配慮したことはなんでしたか。
 
奈良澤 中央館として建設されることになり、中核施設としての役割・機能など色々と考えることがありました。建設予定地が穂高地区になり正直、駅と駅の中間地点で、交通の便はあまりよいとは言えません。そのような中、サービスのあり方や充実した資料提供を考え「滞在型」 を意識することになりました。
 一番の特徴はいす、ソファを数多く配置している点です。座り心地がよく、ゆったりとリラックスできます。施設的には高い天井と低い書架、見渡せる開放感があり、空間的な余裕はあります。照明も落とした演出をはじめ、館の奥にはガラス壁一面のブラウジングコーナーがあり、併設された公園も眺望できます。 
青柳  しかしながら、機能的には不便なところもあります。収納率はダウンし、管理面ではブラウジングコーナーが奥になるので目が届きにくい点です。実際に運営してみて、課題が顕在化してきました。ただ利用者の視点では公園の眺めがいいので、非常に評判はよいですよ。 
奈良澤 図書館づくりに当り、平成19年度に市民アンケートを実施しました。アンケートで1番多い要望は、平日夜間開館への期待でした。そこで当館の開館時聞は9:00-22:00としています。土日は昼間利用を想定し9:00-18:00 です。仕事帰りに立ち寄れるとのことで市民満足度調査でも高い評価を頂きました。なお中学生以下の学生に対しては18:00 までとし、帰宅の声掛けを行っています。
 続いて2番目として、配本等の体の不自由な方への配慮です。当館ではディサービス施設や児童館、病院等への団体貸し出しを行っています。市の中核病院には常時100冊配架しており、月に1 度入れ替えを行います。また視聴覚資料を中央館単独で約6000枚に上り、周辺自治体に比べて充実させました。
 こういったアンケートを重視し、図書館サービスへ反映していきました。 
 
 
ゆったりとしたソファ

ゆったりとしたソファ

 
ブラウジングコーナー
ブラウジングコーナー
 
児童書コーナー
児童書コーナー
 

ー図書館づくりにおいて、力を入れたことはなんでしたか。
 
奈良澤 図書館サポーター制度です。月に1度のボランティア団体によるお話し会、週に1度のお話サポーターによるお話し会があります。なおサポーターの方は個人を対象にしています。一般的に組織化されてきたボランティア団体にお願いすることになるのですが、当館では個人個人を組織化し、ボランティア活動が気軽にできるように工夫しています。
 
 
ー職員構成をお知らせください。
 
青柳  館長と正職員・臨時職員で22名です。 
奈良澤 サポーターではお話しサポーターは約20名、図書の配架や修理・カバー貼り等の軽作業を中心とした図書館サポーターは約40名、朗読協力を頂く有償ボランティアは17名登録されています。 
 
ーサポーターの方への教育はどのようにされていますか。
 
奈良澤 定期的な研修会を実施して、スキルアップを図っています。研修はお話しサポーターは年3回、有償ボランティアは月1回、及び図書館サポーターは随時内部講師や外部講師によって研修を行っています。ベテランサポータが講師役になったりして、楽しんでいます。個人ですから、本人のやる気次第で、どんどんでチャレンジできますよ。 
 
ー契約期聞はありますか?
 
奈良澤 基本的には1 年ですが、継続は可能です。 
青柳 サポーターが図書館と市民のパイプ役的な存在ですよ。構想段階であった、市民の共同参画がありました。私たち行政から下ろすのではなく、アンケートに基づいた図書館づくりが市民の共同参画型になったと思います。 
 
ー大変だったことは何でしたか?
 
奈良澤 開館当初、館内での利用者の携帯電話の使用や飲食等が目立ち、モラルが低い状況でした。田舎に素晴らしい図書館ができたので、市民の方が図書館の利用に初めて利用する方が多く、ルールが分からなかったことが挙げられます。マナーの浸透については、個々への声掛けを行っていく事で、違反は徐々になくなっていきました。反対に「子供の声がうるさい」とクレームを頂いた方には、子供の性分と館内のワンフロアでの許容範囲として説明することで、お互いの譲り合いの気持ちを大切にしていきました。 
 
ー今回のテーマでは、「感動できる利用者サービスの工夫」を挙げています。
 
奈良澤 開館時間・日数を長くしたことと、声を掻けやすい雰囲気づくりに努めています。接遇マニュアルの読み合いをはじめ職員研修を通じて、サービスの質の向上を図っています。この積み重ねが、企画展示等へのアイディア出し等に発揮できていると思います。 
 
ー今後の発展についていかがでしょうか。
 
奈良澤 まずは図書館システムのウェブ予約を実施したいと思います。現在、館内の体制やルール作りに苦労していますが、早期に実現したいと思います。
 次に、人を引き付ける図書館を追求していきたいですね。魅力ある図書館は、職員がしっかりしています。職員がどのような考えを持ち、サービスを行っているのか、強いては人づくりとして成長できる場として実現できるようにチャレンジしていきます。 
青柳 安曇野市の観光や産業を大事にしている資源に対して、図書館が積極的に絡み、資源情報の収集と発信、関連した情報の整理も行っていきたいと思います。
 また、図書館に来たことがない人に対して、足を運んでもらう工夫を行っていきたいと思います。「図書館に来てみたら、気づくことが沢山ありますよ」ってね。
 
 
外観

外観
 


ー本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
取材・執筆:木本 拓郎 金剛株式会社 企画チーム
      ※取材当時 

安曇野市中央図書館
所在地:安曇野市穂高6765-2 穂高交流学習センター「みらい」内
開館時間:平日9:00~20:00、土曜日9:00~18:00
休館日:ホームページにてご確認くだい
URL:https://www.city.azumino.nagano.jp/site/tosho/
設計監理:場々・岡江設計企業体

PASSION34表紙
この記事は「PASSION vol.34」に収録されています
 
 
 

 

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