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PASSION VOL.31  November.2007

現場の取組み・考え方


02  日本女子体育大学附属図書館

開架書架への使い勝手の追求
 ー設置スペース、使い勝手、安全性への挑戦

話し手:星谷 速人(日本女子体育大学附属図書館 事務長)
聞き手:木本 拓郎(金剛株式会社企画チーム)


日本女子体育大学附属図書館

 
[木本] 2005年に図書館を新築された際、大学図書館で初めて電動書架のエリアセンサを導入されました。
事務長の強い想いを受けて、導入されたことを伺っております。その経緯についてお聞かせください。
 
[星谷] 図書館新築の計画を進めている中で、当初の予定地から計画が見直され、敷地面積が狭い場所に計画が進むことになりました。新しい図書館には、学生が学習できる閲覧机やキャレルデスクの充実を図り、極力、学生が多くの図書資料を手に触れる環境を整えたいと考えていました。また、コンピュータの配備、無線LAN等の情報インフラも整備したい。そういったゾーン配置を検討していくと、開架書架のゾーンが次第に狭くなっていきます。利用者の立場からみれば、やはり自立書架の方が使い勝手がいい。多くの利用者が介在してブラウジングできる環境が望ましいのですが、設置スペースを大きく占めてしまいます。スペースの制約がある中で、多くの蔵書を開架におきたい。そこで、省スペース設計された移動書架の導入が不可欠になりました。
 
 
[木本] 移動書架の検討に当り、留意した点はなんでしょうか?
 
[星谷] 移動書架は旧図書館でも電動タイプを使用していました。これまで電動書架に対する使い勝手について非常に不満を抱いていました。1つ目はボタンを押して動く、動きが遅いことへの不満です。2つ目は、通路の使用後、電動書架のロックが自動で解除されず、次に利用する人がロックを解除し、動かす行為・作業の不便さに不満がありました。特に、図書館にある電動書架は、利用者が出たらスイッチ解除を忘れる場合がほとんどです。次の利用者にとっては、大迷惑。今回のように電動書架を長く配置したい際は、なおさら遠いところのスイッチ解除は大変です。利用者が解除しないで済むシステムの欲求が強くでてきました。
 
この2点を解決することが絶対条件として、機種の導入検討に入りました。移動書架のカタログで機種を調べている中で、1つ目の「動き」に対する解決のヒントを見つけました。今まで取引がなかった金剛のカタログに「新型電動書架の動きが、従来に比べ全く違う」と謳っていました。早速、営業マンに問合せし、実際に納入されている国際短期大学図書館を見学し、この書架に触れることができました。
 
「今までとは、全く違うスムースな動きと操作感覚」初めての見学で充分満足いけるものでした。
 
次に、ロックの自動解除に関する課題です。複数の移動書架メーカーに問合せしたところ、人感センサなるものが市場にあることを確認でき、安全性や品質、信頼性について検証していくことになりました。金剛の技術者が来館され、エリアセンサなるものをプレゼンしていただき、これまでの常識や認識に強いインパクトを与えてくれました。
 
そこで、エリアセンサの検証として、既に納入されていた吹田市千里山・佐井寺図書館(大阪府)を見学、体験することができました。しっかりした安全性、品質性、信頼性が実証されており確信が持てました。
 
以上、今回の電動書架の導入に当り、いくつかの仕様追加をした上で、金剛製のHPZA型エリアセンサ仕様の機種に確定しました。このいくつかの仕様追加*に当り、金剛は私が納得する開架での電動書架仕様とするために、充分に対応してくれたことを高く評価しています。
 

*通路幅制限、可動・固定切替機能、エリアセンサ位置、センサ受けユニット、ガラス引戸搭載の仕様を追加。

 
 
[木本] 学生の利用はいかがでしょうか。
 
[星谷] 学生には新入生のガイダンスの際に、図書館の利用案内をするだけです。この電動書架は、操作ボタンがすぐに分かるし、開けたい方向へ必要な通路幅だけ開けて使えるといった、見ただけで分かるシンプルなデザインです。同時に、いくつもの通路を作れるので、学生も先生も全く不自由なく、通常の自立書架と同じ感覚で使用しているようです。利用案内の手間を掛けずにできるので、運営面からも助かっています。
 
開館後、他の大学図書館で納入されているスケルトン仕様パネルの電動書架の実績写真を見て、やはり当時の頭の中にはあったのですが、そこまでの検討依頼をしなかったのが残念です。
 
 
[木本] 星谷事務長のパッション(熱意)と当社への評価につきましては、メーカーとして仕事冥利につき、光栄に思います。
 
[星谷] 閉架書庫を増やせぱ収納効率は当然上りますが、ブラウジンクを充実させる為に1冊でも多くの図書資料を開架に置きたかった。スペースが限られている所では、開架で操作性・安全性が優れているHPZA型は最適です。図書館の利用者は、ほとんどブラウジングで図書資料を決めると思います。このブラウジングこそが、図書館にとっては重要だと考えています。
 
 
[木本] 本日は貴重なお時間とお話を頂き、ありがとうございました。

PHOTO GALLERY

日本女子体育大学附属図書館

閲覧席

日本女子体育大学附属図書館

開架スペース

日本女子体育大学附属図書館

舞踏ライブラリー

日本女子体育大学附属図書館

移動式書架
開架スペース

日本女子体育大学附属図書館

総合カウンター

日本女子体育大学附属図書館

二階堂トクヨ資料展示室

日本女子体育大学附属図書館

開架書架

日本女子体育大学附属図書館

星谷事務長

日本女子体育大学付属図書館

所在地:東京都世田谷区北島山8-19-1
TEL:03-3300-6092
URL:http://www-lib.jwcpe.ac.jp/

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