KONGO PASSION vol.35 2014.10
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10柳川古文書館 文化施設 Interview自分たちなりのIPMへ、 はじめの一歩 -はじめに、柳川古文書館の概要をお伺いします。  柳川古文書館は昭和60年10月に、九州歴史資料館の分館の1つとして開館して28年になります。施設名の通り、古文書を収集・整理・保管し、公開していくための施設ですが、近年では併せて伝世された道具類や甲冑、刀剣等も収蔵しています。現在当館は県の指定管理者制度導入に伴い平成17年度から柳川市が指定管理者となっており、県と市との予算で運営管理されています。  当館の収蔵の多くは、筑後地方、主に旧柳河藩主の立花家をはじめ、その家臣の各家で伝世されてきた文書が中心となっています。また、国重要文化財指定の古文書群は福岡県内に7つありますが、そのうちの3つ※1は当館が収蔵しています。  史料収集は70~80年代に福岡県立図書館が実施主体となり、県内の古文書に関する緊急調査(所在確認)が行われましたが、当館はその後の追跡調査・整理の拠点としての役割を有しています。当時、各家庭に伝世されてきた古文書や道具類を個人保管することに不安を感じる、家の建て替えを行う、ご子息の生活拠点が都市部にあるなどの理由で古文書が廃棄され、散逸してしまいがちでしたので、当館への寄託・寄贈をお願いする形になりました。また自治体で保存されていた古文書についても、制度改変などの際に33聞き手/木本 拓郎(金剛株式会社 業務本部)     原田 亜美(金剛株式会社 社長室) 話し手 江島  香(柳川古文書館 学芸員・市史編さん担当) 白石 直樹(柳川古文書館 学芸員・市史編さん担当) ※1 : 柳川古文書館収蔵の国指定重要文化財…「大友家文書」「鷹尾神社大宮司家文書」「立花家文書」 ※2 : さげもんめぐりの期間…雛祭りの期間のこと。    柳川においては雛祭りに雛人形だけでなく「さげもん」と呼ばれる吊るし飾りを飾る風習があり、    地域をあげたイベント「さげもんめぐり」が開催される。

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