KONGO PASSION vol.35 2014.10
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で盛んな農業に関しての資料を一箇所に集めて置いています。  また、地震対策も配慮した点です。ちょうど図書館の計画段階で東日本大震災が起きたこともあって、地震への対策を強く意識して書架を採用することにしました。  そして、利用者の方々に対して図書館の敷居を下げ、この図書館で出会った人と人、人と情報の間に生まれる「つながり」や「コミュニケーション」を大事にすることも配慮しました。これまで紫波町には教育委員会施設内の図書室(蔵書6万冊)しかなかったため、地域の方々にとって「図書館」というものに関する印象や先入観がほとんどゼロの状態でした。だからこそ、「図書館=誰でも入ることができる」という印象からスタートさせるチャンスでした。そのため「にぎわいのある図書館」というものを意識して、館内には飲食可能なスペースを作ったり、BGMを流したりと、できるだけ「誰でも入りやすい」と感じてもらえる雰囲気作りに努めました。開館後の利用者の方の反応としては、「カフェみたい」という意見を頂いたり、オーディオの不具合でBGMが止まった時には「音楽がないと逆に落ち着かない」というお声を頂いたりしましたので、雰囲気作りが効を奏しているのではと思います。いつかはレファレンスカウンターでもコーヒーを出しながら利用者の方の相談に乗る…というのが夢です(笑)。  また、人と情報、人と人との「つながり」の場にするという意味では、館内で月に1度行うイベントや企画展示も重要な手段であると意識しており、図書館単独ではなく他の団体・組織等と連携・コラボレーションした催しにしています。今は「わたしの一冊」という、紫波町内在住のものづくり職人の方が推薦する本と制作された作品を展示する企画を行っています。推薦された本だけでなく、推薦者が携わっている地元の伝統技術・産業も紹介することで、地域との「つながり」を創出する狙いがあります。こういった企画の準備の際には、職員自ら出かけて行って相手のお話を直接伺ったりもします。料金制のイベントと連携を行い、集まった料金の一部を図書購入費としていただいたこともあります。このような様々な企画を通じて、人と情報、人と人をつなげていきたいと考えています。そして当館に来て下さった方が、さらに多くの人へとその「つながり」を展開して下さればと願っています。  その他、オガールプラザ全体の『デザインガイドライン』もありますので、当館も運営をしていく中で色々な配慮をしています。館内のサインを少なくし、ポスターも貼りすぎないようにしており、そのかわりに図書館の利用に関して分かりにくそうにしている利用者の方がいれば職員が進んで声かけしてご案内する方針にしています。声かけに関連して言えば、来館者の皆様へ職員からすすんで挨拶をするという点も意識しています。これらもまた、図書館の敷居を低くすることにも繋がっているかと思います。  また、交流館に音楽スタジオがありますので、楽譜の収集・貸し出しなども行っていますよ。 飲食可能な「読書テラス」 飲物を飲みながら本を読める閲覧スペース 15"「つながり」を作り、育む図書館 紫波町図書館

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