KONGO PASSION vol.35 2014.10
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くろう委員会が連携してヒアリングを重ね、『図書館基本構想・基本計画』が策定されました。その時点でオガールプラザ全体の建物は形になっていましたが、図書館にあたる施設の内部設計はまっさらな状態でした。次に、その『図書館基本構想・基本計画』をもとにしながら、紫波町公民連携室と設計事務所、外部アドバイザー※1、オガールプロジェクトのSPC(specific purpose company:特別目的会社)であるオガール紫波(株)にて打合せを重ね、より具体的な計画へ落とし込んでいきました。打合せは週に1回以上は行いましたし、他館の見学にも行きましたね。  最初に策定された『図書館基本構想・基本計画』において、7つのミッションが策定されていましたので、それらを運営方針へ落とし込み、3つのスローガンと3つの運営の柱にまとめました。【図参照】そしてそれをもとに、ゾーニングや選書を進めていきました。 ―図書館づくりの中で配慮した点はありますか。  まずは、上記のスローガンと運営方針に沿うことです。例えば3つの運営の柱①の「子どもたち(0歳から高校生まで)と本をつなぐ」に沿って、0歳の赤ちゃんを連れたお母さんでも気兼ねなく入館できる図書館にするために、館の入口から奥へ向かうにつれて静かになるようなゾーニングを考えました。具体的には、入口近くに児童書架や「あかちゃんのへや」、その奥にティーンズ向け書籍のコーナー、さらにその奥に一般図書を…といった具合のゾーニングです。3つの運営の柱②の地域資料については、収集前に実際に私自身も紫波町の風土・環境を見て回りました。そこで感じたのですが、紫波町は歴史がある町なのに意外と知られていないのです。それをもっと知ってもらうために、資料の収集方針にも反映させて地域資料を可能な限り多く集めるようにしました。3つの運営の柱③の産業支援に関しては、館内に特設コーナーを設けています。とくに紫波町14入口近くの児童書コーナー 地域資料 農業支援コーナー ※1 外部アドバイザー:秋田県立図書館副館長 山崎 博樹氏、 ㈱アジール代表 佐藤 直樹氏 「紫波町図書館基本構想・基本計画」 における7つのミッション ◆3つの基本スローガン ◆3つの運営の柱 ①「たくさんの情報に出合える場」であること ②「次代を担う人づくりの場」であること ③「まちの歴史・風土・文化に出合える場」であること ④「活力あるまちづくりを支援する場」であること ⑤「協働の推進に寄与する場」であること ⑥「人に出会える場」であること ⑦「新しい自分を発見できる場」であること ①「知りたい」を応援する図書館 ②「学びたい」を応援する図書館 ③「遊びたい」を応援する図書館 ①子どもたちと(0才から高校生まで)本をつなぐ ②紫波町に関する地域資料を収集・保存する ③紫波町の産業支援

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